日本に古くから伝わるお正月の風習「書初め」。
趣味で書道をしたり、子どもが宿題で習字をしたり、墨汁を使って紙に絵や文字を書く伝統的な行事です。
一方で、こんな悩みを持ったことはありませんか?
子どもの手が墨汁で真っ黒に!キレイに落とせるかな?
手洗いしたけど、爪や皮膚に染み込んだしつこい汚れ。簡単な落とし方はあるの?
墨汁の汚れは頑固なので、手を見るたびに、黒ずみが消えるのか不安になりますよね。数日は気になって気分が落ち込むなんてことも。
でも安心してください!手についた墨汁は、泡立てた石鹸(せっけん)ですぐに洗えば割と落ちます!歯ブラシを使って、爪もキレイに戻せます。
今回は、手についた墨汁の落とし方を紹介します。どれも簡単な落とし方なので、実践すればすぐにでも墨汁の汚れとおさらばです!
爪ブラシを使えば手についた墨汁を落とせます。使用後は立てておけるので、衛生的にも安心ですね♪
ペンギンのデザインがかわいいので、お子様がいるご家庭にもおすすめです!
墨汁の落とし方はすぐに手を洗うことが肝心!
基本的な落とし方ですが、手に墨汁がついたら、まずは石鹸でしっかりと手洗いしましょう。
墨汁は、時間が経って乾くほど落ちにくくなります。すぐに手洗いすることで大抵の汚れは落とせます。
墨汁の落とし方のコツは次のとおりです。墨汁を使うときは、できるだけ意識してみましょう。
- 墨が乾く前に洗い落とす
- 石鹸は泡立ててよく洗う
- 手を洗った後は、石鹸をしっかりと洗い流す
落とし方はとてもシンプルですが、墨汁はすぐに対処することが重要です。
石鹸を泡を立てずに使うと、石鹸カスに墨が付着して細菌が感染する恐れがあるため、泡立てることも大切です。
手を洗い終わったら、しっかりと手をすすいで石鹸を洗い流しましょう。
墨汁が手に完全に付着する前に、手洗いだけで落ちればとても楽ですね♪
墨汁が落ちにくいのはなぜ?
墨汁は不溶性ということもあり、汚れは水にも油にも溶けず、落とし方に困りがちですよね。落ちにくい理由は、墨汁の原料にあります。
まず、墨(すみ)というのは、煤(すす)と膠(にかわ)を主成分としています。
煤は、松の木や植物油を燃やしてできる炭素で、墨の黒色です。膠は、動物性のコラーゲンを原料としたたんぱく質で、墨を固めるための接着剤の役割をしています。
煤と膠を練り上げ、香料を加えてできたのが固形墨(こけいぼく)です。これに水を混ぜ合わせたものが墨汁(ぼくじゅう)になります。
自分たちが普段使う墨汁には、墨の腐敗や凝固を防止するため、さらに防腐剤や合成樹脂なども含まれるんだって!
煤は分解しづらい非常に細かな粒子を持っているため、皮膚の間や服の繊維の隙間に入り込みます。
そうすると、こすり洗いだけでは落ちず、石鹸をよく泡立てて粒子を浮かし、効率よく落とす必要があります。
そして手や服に定着した煤の粒子に加えて厄介なのが、乾くと固まる膠です。膠は墨が乾くと固まってしまい、その特徴である接着効果によってべったりとついてしまいます。
つまり、手についた墨汁の汚れを落とすには、墨汁の成分である煤の粒子と膠の動物性たんぱく質を洗い流す必要があります。
ふむふむ。煤の粒子が手について固まると、とても手強そう。キレイに落としたいなら、早いうちに洗い流さないと!
墨汁の落とし方で爪には歯ブラシと歯磨き粉が有効!
すぐに手を洗っても、爪や指紋、手のひらのシワなどに墨汁の汚れが残ることがあります。
そんなときに有効な落とし方は、ブラシ類を使って手洗いすることです。
爪ブラシや歯ブラシを使うことで、細かい部分の汚れが落ちると同時に、爪の間に溜まった汚れも取れちゃいます♪
まずは肌に優しい泡立て石鹸で洗ってみましょう。
<準備するもの>
- 爪ブラシまたは歯ブラシ
- 石鹸またはハンドソープ
<手順>
- 爪ブラシまたは歯ブラシを用意する
- 泡立てた石鹸またはハンドソープをブラシに少量つける
- 爪や爪の周り、手のひらなどについた墨汁の汚れを、ブラシで優しくこするようにして洗う
ここで重要なのが、あまり強く擦り過ぎないことです。
皮膚と爪の間に傷がついてケガをしたり、爪や肌を傷めたりすると、菌が入る原因になるため、注意してください。軽い力で優しくこするのがポイントです。
使い古した歯ブラシを使っても問題ありませんが、爪ブラシは、墨汁だけでなく、粘度や砂遊びで爪の中を真っ黒にする子供の爪そうじにも使えます。
爪ブラシは、手先をキレイに保ちたいなら1つ持っておくと便利ですよ!
爪ブラシを使えば手についた墨汁を落とせます。使用後は立てておけるので、衛生的にも安心ですね♪
ペンギンのデザインがかわいいので、お子様がいるご家庭にもおすすめです!
ネイル専用の細かい爪やすりでも、表面の汚れを取ることができるよ!
もしこの落とし方をする際に、子どもがブラシを嫌がる場合は、100均で販売しているメラミンスポンジを水に少しつけてこすっても有効です。
ちなみに、石鹸やハンドソープで墨汁の汚れが手から落ちないときは、歯磨き粉や台所洗剤を使ってみるのもひとつの手です。
歯磨き粉の研磨剤の成分が、墨汁の細かい粒子をかき出してくれます。
ただし、歯磨き粉や台所用洗剤は石鹸よりも洗浄力が強力なので汚れが落ちやすい分、手に優しいとは言い難いです。
使用する際には、手に軽く叩くようにつけて、最後はしっかりと水で洗い流しましょう。
手荒れ予防のために、ハンドクリームなどでケアすることも忘れずにね。
墨汁の落とし方にクレンジングオイルを使う
ここまでやってきた落とし方で、まだ汚れが落ちない場合は、クレンジングオイルやベビーオイルを使って墨汁の汚れを取る方法があります。
墨汁は合成物でできているので、クレンジングオイルが墨の成分を分解させて、汚れを落としてくれるのです。
ここではコットンを使う落とし方を説明していますが、オイルは直接指に取ってもOKです。
<準備するもの>
- メイク落とし用クレンジングオイルまたはベビーオイル
- コットン(なければ指でOK)
- 石鹸またはハンドソープ
<手順>
- コットンにクレンジングオイルまたはベビーオイルをつける
- 墨で汚れた部分にオイルを含んだコットン(または指に取ったオイル)をつけて、優しくこする
- 泡立てた石鹸またはハンドソープでしっかり手を洗う
クレンジングオイルやベビーオイルはもともと肌に使われるものなので、肌に優しくできていますが、肌荒れを避けるため何度もつけないように注意してください。
墨汁の落とし方に水のりを使ってみよう!
ちょっと裏ワザのような落とし方ですが、墨汁を落とすために水のりを使う方法があります。
水のりの粘着成分は色素を吸収する力があるので、墨汁の汚れを吸い取ってくれる効果があります。
<準備するもの>
- 水のり
- 石鹸またはハンドソープ
<手順>
- 手についた墨汁の汚れ部分に直接水のりを塗る
- のりが乾くまでそのまま待つ
- のりが完全に乾いたら、シールをはがすように手につけたのりをはがす
- 泡立てた石鹸またはハンドソープでしっかり手を洗う
乾いたのりは、ペロリと剥がせて墨の汚れも簡単に取れます。
剥がして汚れが取れれば気持ちいい!
この落とし方では、固形タイプのスティックのりではなく、液体タイプの水のりを使います。
スティックのりは、シールのように固まらないので汚れ落としには向いていません。
水のりを使った落とし方は、墨汁以外にも油性ペンやボールペンの汚れにも応用できますよ!
墨汁の落とし方で髪の毛を洗うのもアリ
手に墨汁がついたとき、もしくは墨汁を使った作業を終えたとき、お風呂に入って髪の毛を洗うといった墨汁の落とし方も有効です。
お風呂に入ると、自然に髪の毛を洗う流れになりますよね。
歯ブラシと石鹸を使う墨汁の落とし方を説明したように、髪の毛を洗うのに置き換えると、髪の毛がブラシ、シャンプーが石鹸の代わりになります。
いつものルーティンで頭も手もキレイになるので、一石二鳥の簡単な墨の落とし方です♪
ここまで紹介した墨汁の落とし方で、どうしても汚れが落ちないときは、そのまま様子を見ることをおススメします。
洗いすぎは逆に肌を傷めてしまいます。傷ができてしまうと、治るのに数日かかってしまい、良いことはありません。
墨汁の汚れなら、大体3日ほどで自然に落ちていくので、普段の手洗いやお風呂での洗髪をしっかりして、キレイになるのをゆっくり待ちましょう。
墨汁の落とし方は服や壁にも有効!ご飯粒も使える!?
墨汁を使うとき、手だけではなく服や壁などに飛び散る汚れやシミも気になりますよね。
墨汁の落とし方の基本は同じで、汚れが乾く前に対処することで、服や壁の汚れをある程度落とすことができます。
早速、服や壁についた墨汁の落とし方を見ていきましょう。
服に負担をかけない墨汁の落とし方
ここで紹介する方法は、色落ちさせたくない服や、新品の服などに使えます。
まずは石鹸を使って墨汁の汚れやシミを落としてみましょう。
<準備するもの>
- 固形石鹸または台所用中性洗剤
<手順>
- 汚れた部分を水で濡らし、固形石鹼または台所用中性洗剤でこする
- 汚れが浮き出てきたら、広がる前に水で流す
- 汚れが薄くなってきたら、通常通り洗濯する
乾ききる前の汚れなら、石鹸の代わりに歯磨き粉を使うのも効果的です。
次に紹介する落とし方は、ご飯粒を使う少し変わった方法ですが、効果は抜群です!
ご飯粒が固いときは、少量の水を足したり、電子レンジで温めたりして粘り気を出してみてください。
<準備するもの>
- ご飯粒
- 洗濯用洗剤
<手順>
- 墨汁で汚れた部分を覆うくらいの量のご飯粒と洗濯用洗剤を混ぜて、汚れにすり込む
- ご飯粒が黒くなるまでスプーンやヘラなどでしごく
- 水をかけるか、水を含んだタオルでご飯粒を拭き取る
- 再び汚れた部分にご飯粒をこすりつけて洗うを繰り返す
- ご飯粒が汚れなくなったら完了
- 最後は中性洗剤などで通常通り洗濯する
なんと、ご飯に含まれるでんぷんが、墨汁の粒子を吸い出してくれるのです!
ご飯粒を使った落とし方は、服に墨汁がついて少し時間が経ってからも有効ですが、できるだけ早く対処することをおすすめします。
ご飯粒を使う落とし方なんて、想像もつかなかった!意外なものが役に立つのね。
他にも、墨専用の洗剤というのがあるので、家に1つ置いておいても良いかもしれません。
ただし、墨汁は乾ききる前に対処することが大事なので、もしも汚れたときに墨専用の洗剤が無い場合は、別の方法で先に落とすことを検討しましょう。
さらに、洗浄力が高いマジックリンや、研磨剤の役割を持つ重曹、界面活性剤が含まれるオキシクリーン、キッチンハイターを使う方法もあります。
しかし、これらは頻繁に使うと衣服を傷めるので、最終手段とするのが良さそうです。
大切な服が汚れた場合は、個人で服を洗って傷めるよりも、当日中にクリーニングに出すのが一番です。
壁に飛び散った墨汁の落とし方
壁についた墨汁も、乾いてしまうと落ちなくなる可能性が高いので、気が付いたら早めに落とすことを心掛けましょう。
壁を傷つけないように、優しく汚れを落とすのがポイントです。
<準備するもの>
- 濡れたタオルまたは布巾
- 乾いたタオルまたは布巾
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉
<手順>
- 墨が乾ききる前に、濡らしたタオルや布巾で汚れた部分を水につける
- 歯磨き粉を歯ブラシにつけて、墨汁の汚れをこする
- 落ちにくいときはトントンと叩くようにこする
- 乾いた布で拭き取る
子どもが習字をするときは、黒っぽい服を着せたり、周囲に新聞紙などをしっかり敷いたりして、墨汁が飛び散るのを防ぐと良いですね。
すぐに対処できるように、習字道具セットの中に、歯ブラシと歯磨き粉を一緒に入れておくのも、いざというときに安心です。
まとめ
- 手についた墨汁の落とし方は、泡立てた石鹸ですぐに洗うこと
- 墨汁の落とし方で大切なポイントは、「乾く前に洗う」、「泡立てて洗う」、「しっかり洗い流す」、の3つ
- 墨汁の汚れが落ちにくい理由は、原料である煤と膠にある
- 爪に有効な落とし方は、ブラシ類を使って手洗いすること
- 石鹸やハンドソープで墨汁の汚れが落ちないときは、歯磨き粉や台所洗剤を使ってみる
- 墨汁の汚れはクレンジングオイルやベビーオイルでも落とせる
- 墨汁の落とし方に水のりを使う方法がある
- お風呂に入って洗髪するといった墨汁の落とし方も有効
- 服や壁についた墨汁の落とし方もほぼ同じで、汚れが乾く前に対処することが大事
墨汁が手につくと、どうしても気になって早く落としたくなりますよね。
ただ、手であれば、普段の手洗いや髪の毛を洗うことで自然に取れますので、神経質にならなくても大丈夫です!
墨汁の汚れやシミをキレイに落としたければ、手遅れになる前に早めに対処しましょう!
爪ブラシを使えば手についた墨汁を落とせます。使用後は立てておけるので、衛生的にも安心ですね♪
ペンギンのデザインがかわいいので、お子様がいるご家庭にもおすすめです!