外出時、思いがけずにラーメンの汁やカレーなどを服に飛ばしてしまい、油汚れを軽く拭いたけど、乾いてからシミになっていて困ったことはありませんか?
もしくは、調理中の油跳ねや、食べ残しの油汚れが付いたとき、服の洗濯を後回しにして別のことを優先してしまい、後からシミに気付いて落ちないと後悔したことはありませんか?
油は水に溶けにくく、いつもの洗濯ではなかなか落とせません。特に時間が経った汚れは頑固で面倒です。
それでも、適切な洗い方をすれば、油汚れのシミは時間が経ったあとでも落とせるのです!
お気に入りの服や、大切な服に油が染み付いてしまうとショックですよね。落とし方を知っておくと、服を傷つけることなく、落ち着いて対処できます。
今回は時間が経った油汚れに効くアイテムや落とし方について紹介します。
油汚れの服は時間が経った場合でも落とせる!
油汚れといっても、軽度や素材によって洗剤や落とし方が違います。ここでは油汚れに効く落とし方をいくつか紹介します。
時間が経った油汚れもキレイに落とすことができれば、その服をまた着るときにスッキリした気持ちにもなりますね。
落とし方を間違えて服を擦りすぎたりすると、逆効果でさらに汚れがひどくなってしまいますので、正しいやり方を見ていきましょう。
時間が経った油汚れの落とし方
脂溶性の汚れは水で落ちないので、洗濯する前に下処理をします。時間が経った頑固な汚れにはクレンジングオイルが最適です。
汚れはクレンジングオイルだけでも落とせますが、繊維に付いたクレンジングオイルの油分を取り除かないと、さらに時間が経ったときにまたシミが出てしまうことがあります。
何度も同じ油汚れに悩まされたくないので、ぜひ中性洗剤も使いましょう。
- 歯ブラシまたは綿棒
- 汚れてもいいタオル
- クレンジングオイル
- 中性洗剤(あれば良し)
- 服の下にタオルを敷いて、汚れた部分に直接クレンジングオイルを適量つける
※汚れた部分に水が触れると乳化して効果が半減するので、乾いた服につけること - 歯ブラシや綿棒で、汚れの上をトントン叩く
- 繊維の奥に入り込んだ油汚れにクレンジングオイルが浸透してなじむまで、5分ほど放置する
- 中性洗剤を使う場合は、この時点で洗剤を汚れた部分につけて、お湯で優しくもみ洗いする
- お湯に濁りがなくなるまですすいだら、通常通りに洗濯機で洗って完了
服に付いたばかりの軽度な油汚れの落とし方
時間が経っていない油汚れは、食器用洗剤で落とせることがあります。
食器用洗剤は、油を分解して浮かせる働きがある界面活性剤が含まれるので、服にも効果的なのです。
- 食器用洗剤
- (必要に応じて)ゴム手袋
- 洗面器やバケツなどの容器
- 歯ブラシ
- 固形物の汚れが付着している場合は、事前にティッシュなどで拭き取る
- 容器に40~60℃のお湯を張り、油汚れのある部分をつけて油を緩ませる
- 容器から服を取り出し、食器用洗剤を汚れ部分に少し垂らし、生地が傷まないようにやさしくもみ洗いして、汚れを押し出す
- 洗剤が汚れ部分に浸透したら、繊維の奥の油汚れを歯ブラシで掻き出すように小刻みに擦る
- 容器に新しいお湯を入れながら、お湯が濁らなくなるまで洗剤をキレイにすすぎ落とす
- 洗濯機で洗える衣類は、いつもの洗濯をして完了
作業着などに付いた機械油の落とし方
自転車やバイク、車のメンテナンスに使う機械油が服に付いたときなど、強力な汚れは専用の洗剤(作業着専用洗剤)が効果的です。
洗い方については、洗剤の説明を読むことをおすすめします。
綿や麻など耐熱性のある服の油染みの落とし方
自然素材は耐熱性があるため、汚れを浮かして落とすだけでなく、殺菌や消臭効果が高い「煮洗い」で落とせます。
強い洗剤を使わないので、小さなお子様や肌の弱い方に最適です。
ただ、プリント加工があるものや、ウールやシルクといった化学繊維や動物性繊維のものは向いていないので注意が必要です。
- ホーロー鍋またはステンレス鍋(アルミ製の鍋はアルカリ性で黒ずんでしまうので避けましょう)
- 粉石けん、または重曹などのアルカリ性洗剤
- (必要に応じて)固形石けん
- 水1Lに対して大さじ1杯の重曹(または粉石けん)を鍋に入れる
- 鍋を火にかけて沸騰させる
- 服を鍋に投入して、10~15分ほど煮洗いする
- 少し冷ましてから服を取り出し、油染みが落ちているかを確認する
- 汚れが落ちていなければ、固形石けんでもみ洗いする
- 服をすすいで、洗濯機で脱水して乾燥させて完了
外出中に油汚れが付いたときの応急処置
思いがけない場面で服に油汚れが付いたときにできる応急処置です。帰宅後はしっかりと油汚れを取り除くことをおすすめします。
- ティッシュまたはハンカチ
- (あれば)手洗い石けん
- 油汚れが広がらないように、ティッシュやハンカチでポンポンと汚れた部分だけを叩いて拭き取る
- 濡れたティッシュなどで、汚れた部分を叩いて拭き取る
- お手洗いに手洗い石けんがあれば、石けんもティッシュやハンカチに染み込ませて拭き取る
- 汚れを水で洗い流し、乾いたティッシュやハンカチで水気を拭き取って乾燥させる
油汚れがどうしても落ちない服はクリーニングへ
自宅で洗っても落ちない手ごわい油汚れ場合や、デリケートな素材に汚れが付いた場合は、ムリをせずにクリーニング業者に相談しましょう。
油汚れだけでなく、作業着などの臭いが気になった時も、プロがいるクリーニングに依頼するとキレイにしてくれるので、早めに出すのがおすすめです。
油汚れの服にはクレンジングオイルが有効!
服の油汚れにクレンジングオイルが使えるなんて思いもしませんでした!
汚れが落とせるのは嬉しいのですが、なぜクレンジングオイルが服の油汚れに効くのでしょうか?
クレンジングオイルは油分を主成分としています。口紅など、濃いメイクを落とすほどの洗浄力があるので、服の油汚れに最適なのです。
軽い油汚れや、時間が経っていない油汚れは、水溶性と同様に台所用洗剤で落とせることがあります。
時間が経った強い油汚れには、クレンジングオイルを試してみることをおすすめします。
ちなみに、油成分であるオイルが繊維に残ると、後に服のシミが悪化する恐れがあります。油成分を残さないよう、仕上げに中性洗剤を一緒に使うとより効果的です。
また、脂溶性の汚れは、水に溶けにくいものの、油は熱に溶けやすいという特徴があります。そのため、シミ落としをするときは、水よりも40~60℃のお湯を使うのが効果的です。
汚れを落としやすい温度は、動物性油が約40℃、植物性油が約60℃が一般的だよ。適切な温度は洗濯表示タグで確認しておこう。
油は温度が上がると粘度が下がって衣類から浮きやすくなる酸性の汚れでもあります。
そのため、頑固な油汚れは、お湯に重曹や酸素系漂白剤などのアルカリ性洗剤を中和しても効果はあります。
但し、アルカリ性の洗剤は使いすぎると服によくないので、使う場合は頻度と素材に気を付けてください。
油汚れの服には洗剤の使い分けが大事!見分け方を紹介!
油汚れ以外にはどんなものがあるでしょうか。服の汚れは大きく分けて水溶性、脂溶性、不溶性の3タイプがあります。
汚れの種類 | 特徴 | 例 | 汚れに効くアイテム |
水溶性 | 水に溶けやすくて、通常の洗濯で落ちる汚れもある | コーヒー、ジュース、醤油、ソースなどの食べ物の汚れが多い | 洗濯用中性洗剤、台所用洗剤 |
脂溶性 | 水に溶けにくく、油脂に溶け込むため、通常の選択だと落ちない | 油、ラーメンの汁、肉汁、カレー、ミートソース、揚げ油、チョコレート、油性ボールペン、クレヨン、口紅、ファンデーションなど、油を含む汚れ | クレンジングオイルのような油分を含むもの |
不溶性 | 水にも油にも溶けない汚れ | 墨汁、泥、サビ、香水、チューイングガム | 固形石けん、中性洗剤 |
汚れといっても、タイプ別に全く性質が違います。それぞれ使える洗剤も変わるので、特徴だけでも捉えておくのは良いかもしれません。
油汚れは脂溶性にあたるので、水で洗ってもシミはなかなか取れません。しかし、「毒をもって毒を制す」というように、油は油を使って落とすことができます!
高価な洗剤ではなく、どこでも買えるクレンジングオイルで落とせるのは嬉しいですね。
どのタイプの汚れにも、落ちない時に使えるのは酸素系漂白剤です。それでも酸素系漂白剤は、素材によって脱色や変質の可能性があるので、注意が必要です。
自分で洗える素材かどうかは、先にきちんと確認しておくと失敗しなくて済みますよ。
クレンジングオイルが使えるなんて意外!でもどのシミが油汚れか忘れちゃった…。
もしも時間が経ったシミがどれだか分からない場合、簡単な見分け方があります。
服の汚れた部分に水を少し垂らしてみて、汚れがにじみ広がれば水溶性、水を弾けば脂溶性、そして水がしみ込んだり弾いたりしなければ不溶性の可能性があります。
服が乾いた状態であれば、汚れがにじむまで少し時間をおいてから確認しましょう。油染みは時間が経ったものでも薄くなったり滲んだりしません。
ちょっと待って!汚れを自分で落とす前に、覚えておくことがあるよ!
服の汚れを適切に対処するために、次のポイントをおさえておきましょう。
- 衣類の素材と洗濯表示を知ろう
- 汚れに気が付いたら早めに落とそう
- ムリにシミを落とさないようにしよう
服の汚れは間違った方法で落とそうとすると、生地が傷んだり、シミが余計に広がってしまったりする恐れがあります。
はじめに洗濯表示タグを確認して、自分で洗えるかどうかをチェックしておくと安心です。
また、時間が経った油汚れは、汚れが付いた直後よりも落ちにくくなります。気が付いたときに落とすことができれば、よりキレイに落ちる確率が高まります。
そしてムリして落とそうとすると、逆に汚れが取れなくなったりすることがあります。
使う洗剤が正しいかどうかや、自分で洗っても良いか心配な時は、最初に目立たない部分で試してみるのが良いでしょう。
焦って対処すると、逆効果になりかねません。ここは落ち着いて正しい方法で対処するようにしましょう。
まとめ
- 油汚れの服は、正しく洗えば時間が経ったあとも落とせる
- 時間が経った油汚れの服には、油分を含むクレンジングオイルが有効
- 軽度な油汚れは食器用洗剤で落とせる
- 強力な機械油には専用洗剤がおすすめ
- 自然素材に付いた油汚れは煮洗いで落とせる
- 思いがけない油汚れの応急処置は外出先でもできる
- 自分で洗えないときはクリーニングへ依頼するのがベスト
- 油汚れの服を洗うときは40~60℃のお湯を使う
- 油汚れをムリに落とすと逆効果になるため、素材や洗濯表示は要確認
- 油汚れは時間が経ったら頑固で落としにくくなるため、早めに落とすのがベスト
服の油汚れのシミに気が付いたときは落ち込みますが、正しい落とし方を知っていれば、大切な服を傷つけることなく落ち着いて対処できますね。
時間が経った油汚れは、油分を含むクレンジングオイルなどを使うことでキレイに落とすことが分かりました。
油汚れに気が付いたときは早急に応急処置をすることで、普段の洗濯で落とせる可能性が高まりますので、できるだけ早く対処するように心掛けましょう。