産後クライシスってなんだろう…?
産後クライシスとは、産後2〜3年の間に夫婦間のすれ違いなどが原因で、夫婦間の愛情が急激に冷え込み、夫婦仲が悪化する現象のこと言います。
本来幸せなはずの出産がきっかけとなって、夫婦仲がひどい状況になってしまうのです。
この辛い産後クライシスを乗り越えるために一番大切なのは、協力して育児や家事を行うことです。
産後クライシスのような、ひどい状況ならないためには、お互いの育児への協力体制と感謝の気持ち、イライラを解消することが必要なのですね。
この記事では、産後クライシスがどんなものなのか、その原因、ひどい状況にならないためにはどうしたらよいのかをご紹介します。
つらい産後クライシスを乗り越えるためにも、是非この記事を読んで参考にしてくださいね。
産後クライシスがひどい!その原因はこの4つ!
産後急激なホルモンの変化が起ってしまうため
出産すると女性の身体の中では急激にホルモンバランスの変化が起こり、身体と心が不安定になってしまいます。
それは大変だ…!
妊娠中は胎盤から赤ちゃんを無事に胎内で育てるために、エストレゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。
しかし、出産後に胎盤が母体からはがれ落ちると、エストレゲンとプロゲステロンはほぼ無くなります。
そして、プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)の分泌が上昇し母乳が作られると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が抑えられます。
このホルモンバランスの乱れによって、ママ本人も理由がよくわからないままにひどいイライラに襲われてしまうことが多いのです。
慣れない子育てへの大きな不安と責任感のため
子育ての不安と責任がつきまとい、そんな気持ちをパパに理解してもらえなければ、さらにイライラの原因になってしまいます。
産後クライシスになりやすい人は、こういった不安や責任感を強く感じやすい方に多いです。
そのストレスが積み重なると、ひどいときには産後クライシスになってしまうのです。
ママは約10カ月もの間、お腹の中で赤ちゃんを育てていたとはいえ、子育てのスタートはパパもママも同じです。
そのことをパパにもしっかりと認識してもらうことが大切ですね。
産後のママの睡眠不足と身体の不調が重なるため
授乳や夜泣きの対応をし、子供の寝ている間に家事をこなし、数時間ずつの細切れ睡眠しかできないため本当に睡眠時間の確保が大変です。
睡眠不足でイライラが収まらない!!
その上、妊娠、出産は命がけの大仕事ですから、赤ちゃんを産めば体が妊娠前に戻るわけではありません。
悪露と呼ばれる出血もしばらく続きますし、会陰切開や帝王切開の傷の痛みも続きます。
骨盤も歪んでグラグラしている状態のまま、休む間もない日々の育児、家事に追われて心身ともに大変な状態です…。
ママがそんな状態なのに、労る素振りもないパパであれば不満も溜まってしまいますよね。
育児に対するパパの無責任な態度に幻滅してしまう
赤ちゃん泣いてるよ~!うんちしてるよ~?
このように、なんでもママを呼んで自分では何もしないパパだとうんざりしますよね…。
ママだって育児は初めてだらけですから、少しくらい自分で考えて協力してほしいと思ってイライラしてしまうことでしょう。
産後クライシスになりやすい人は、パパに言わなくてもわかってほしい!と期待しすぎてしまっている方が多いようです。
そうならないために、妊娠中から育児や子育ての知識を共有しておくことが大切です。
パパに自主的に子育てに参加してもらうためには、まずはママからパパに寄り添い、普段の子育ての内容やそのときの気持ちを話し合ってみてください。
私の夫も察するのは苦手ですが、ちゃんと落ち着いて説明すればとても協力的に動いてくれます!
そうすることによって、お互いに育児を夫婦の問題だと捉えられれば、産後クライシスには陥らずに辛い時期を乗り越えていけるはずです。
産後クライシスで離婚しないために夫婦でできる対策!
産後クライシスで離婚にならないためには、夫婦でしっかり話し合うことが大切です。
ママとパパが産後クライシスを乗り越えるためにどのようなことを心がけたらいいのか、ご紹介していきます。
産後クライシスの対策でママができることは?
産後クライシスで離婚にならないために、ママは身体や心が辛いときは積極的にパパを頼ってみましょう。
育児に不安を抱え、イライラしてしまうことは仕方のないことですから自分を責める必要はありません。
パパが協力してくれても思い通りにいかず、イライラしてしまうこともあるかもしれませんが、まずは感謝の気持ちを伝えることが大切です。
このつらい時期に誰にも相談できず、離婚してしまう夫婦はとても多いです。
産後クライシスを乗り越えるために心配事はパパでなくても、両親や友人、自治体の相談窓口でも大丈夫なので、誰かに相談してみてくださいね。
産後クライシスの対策でパパができることは?
産後クライシスで離婚にならないために、パパは産後のママの身体と心を労ってあげてください。
産後クライシスを乗り越えるには、夫婦間でちゃんとコミュニケーションをとることが大切です。
協力の仕方がわからなくて困ったと、私の夫も言っていたのでまずは気持ちを共有しましょう!
お互いに不安や不満を打ち明け、協力して育児や家事をこなすことで、よりお互いが頼れる存在になっていきます。
産後クライシスの危機を乗り越えることで、この先何か問題が起きても、お互いを頼って協力し合いながら解決していけるような絆が生まれるはずですよ。
産後クライシスはいつまで続く?どんな現象なのか?
産後クライシスとは、産後2〜3年の間に育児に関する夫婦間のすれ違いなどが原因で、夫婦仲が悪化する現象のことを言います。
出産を経験した女性の6割が産後に夫への愛情の冷え込みを感じたことがあると言います。
出産をきっかけに夫婦関係が変化するのは、珍しいことではないのですね。
産後クライシスは、いつまで続くのか、どのようなものなのか、陥る夫婦の割合はどのくらいなのかについて解説していきます。
産後クライシスは産後いつまで続くのか?
産後クライシスはいつまで続くのかというと、産後すぐから2〜3年ほど続くと言われています。
ママは産後ホルモンバランスの急激な変化によってイライラしてしまい、それが原因で夫婦仲が悪化し、産後クライシスに陥ることが多いのです。
そのホルモンバランスの乱れが落ち着いてくるのが、産後半年ほどだと言われています。
産後半年が経って、ホルモンバランスが落ち着いてくるとともに、夫婦関係が改善に向かう夫婦もいます。
しかし、生涯に渡って夫婦関係に大きな溝を作ったまま産後クライシスが終わらないという夫婦ももちろんいます。
また、産後クライシスがひどいと離婚に至ることもあるのです。
産後クライシスとはいったいどんなものなのか?
産後クライシスになると、具体的には下記のような状況になると言われています。
- パートナーに愛情を感じなくなる
- 夫婦間の会話がほとんどなくなる
- 育児をめぐり言い争いが起きてしまう
- パートナーにイライラする
- 育児に対して不安になる
- 休んでも疲労感がある
産後すぐに赤ちゃん中心の生活になると、以前のように夫婦でゆっくり会話する時間は取りにくくなってしまいます。
ひどい状態になると、会話が減る上に、育児のストレスがかかり、夫婦喧嘩が増えてしまうこともあるでしょう。
お互いに余裕が無くなり、パートナーに当たってしまったり、育児の負担がママにだけかかってしまったりすると産後クライシスになってしまうのです。
産後クライシスに陥ってしまう夫婦の割合
なんと全国で9割以上の夫婦が、愛情の冷え込みや産後クライシスを経験したことがあるそうです。
夫婦なら、みんなが通る道なんだなあ…。
2011年に行われたベネッセ教育総合研究所の調査で「夫を本当に愛していると実感する」と回答したママの割合と子供の年齢との関係を現したものがあります。
ママが妊娠中のとき74.3%、子どもが0歳45.5%、子どもが2歳のときは34.0%と少しずつ減少していくのがわかります。
妊娠中 | 子供0歳 | 子供2歳 |
74.3% | 45.5% | 34.0% |
そしてそのまま減少し続ける傾向にあり、離婚率が最も高いのはこの愛情がどんどん減少していく子供が2歳までの間なのです。
産後クライシスをひどい状況にさせないことが、どれほど大切なのか、わかる数字となっていますね…。
産後クライシスとは?実際に経験した先輩の体験談
この章では、産後クライシスとはどんなものなのかを経験した方の体験談やアドバイスをまとめました。
実際に産後クライシスを経験した方の言葉は強く響きますね。
産後クライシスとは、女性が孤独に悩んでしまいがちになりやすいものです。
周りに頼るのがいいと言われても、なかなか周りの協力を得られない方も多いでしょう。
自分だけでも自分の味方でいて、褒めて、労って、自分のやるべきことに集中するのが大切ですね。
育児に限らず、仕事や家事でも同じことが言えるかもしれません。
産後クライシスとは体調よりも、精神的な悩みにより強く悩まされている方が多いようです。
自ら味方を見つけないと、育児は孤独になりがちですが、周りに頼るのもエネルギーが必要ですよね…。
元気なうちに味方を見つけておくのが必要なのかもしれません。
自分が辛いときに、愚痴や悩みを相談できる相手は大切にしたいですね。
いっぱい周りを頼って、愚痴を聞いてもらって、つらい産後クライシスを乗り越えましょう!
まとめ
- 産後クライシスの原因はママの妊娠中~産後にかけての急激なホルモンバランスの変化や、子育てへの不安、産後の睡眠不足と体の不調が挙げられる
- また、育児のことを妻に頼りっぱなしのパパも産後クライシスをひどい状態にさせる原因の多くを占める
- 産後クライシスを乗り越えるためにママはパパを頼り、パパはママの身体と心を労り、夫婦でしっかりとコミュニケーションをとることが大切
- 産後クライシスとは、産後2〜3年の間に夫婦間のすれ違いなどが原因で、夫婦間の愛情が急激に冷え込み、夫婦仲が悪化する現象のこと言う
- 産後クライシスになると、パートナーに愛情を感じなくなり、会話がほとんどなくなり、ひどいと育児をめぐり言い争いが起きる
- また、パートナーにイライラしたり、育児に対して不安を感じたり、休んでも疲労感が抜けないといった状況になると言われている
- 産後クライシスは産後すぐから2〜3年ほど続くと言われており、全国で9割以上の夫婦が産後クライシスを経験したことがある
- 産後クライシスを経験した先輩の経験談を見ると、産後クライシスを乗り越えるためには周りに頼るのが大切
ここまで産後クライシスの原因や対策、どのようなものなのかを紹介していきました。
産後クライシスをひどい状態にさせず、夫婦で一緒に乗り越えることは、夫婦間の愛情を深めるチャンスにもなります。
ただ、産後クライシスは夫婦の問題ではありますが、夫婦だけでは解決できないことも多いでしょう。
悩んだり辛いと感じたりしたときは、自分の周りの信頼できる人に相談してみてくださいね。