電池を機器に入れたままにしていて、液漏れをしてしまったことはありませんか?液漏れをした電池は掃除方法に困りますよね。
電池の液漏れにはアルコールが良いと聞いたことがあるのだけど、あれって本当なのかな
電池から液漏れをしたときの掃除にアルコールは使ってはいけません。アルコールや酢で液漏れの掃除をすると、さらに状態が悪くなる可能性が高いです。
では、電池から液漏れをしてしまったときはどのように掃除をしたら良いのでしょうか。
この記事では、液漏れの怖さや正しい掃除方法、液漏れをした電池の捨て方や掃除をする際の注意点を紹介していきます。
皆さんご存じですか?そもそも電池の液漏れは予防することができるのです。日々の行動に気を付けるだけで、液漏れの煩わしい掃除からも解放されます!
電池から液漏れをしたときの掃除にアルコールはダメ
結論から言うと、電池から液漏れをしたときの掃除にアルコールを使ってはいけません。アルコールや酢で液漏れの掃除をすると、さらに状態が悪くなる可能性が高いです。
電池から液漏れをしたときはアルコールを使った方が良いという情報と、使ってはいけないという両方の情報があって混乱するわ
私が調べてみたところ、確かにどちらの情報もありました。いろいろな情報が出回っていると、何を信じたら良いのかわからなくなり混乱しますよね。
しかし、電池から液漏れをしたときにアルコールで掃除をしてはいけない「根拠」がしっかりあるのです!
アルコールには除菌作用がありますよね。そのため、アルコールを使うことでしっかり掃除することができると思っている方も多いと思います。
ですが、アルコールにはすぐに蒸発してしまう性質があるため、きれいに掃除することができないのです。
また、アルコールの成分によりプラスチックの一部を溶かしてしまうこともあるため、電子機器に影響を及ぼす可能性があります。
アルコールと同様に酢も、電池から液漏れをしたときの掃除に適していません。
酢は金属を劣化させてしまう性質を持っていることから、酢を使って掃除してしまうと電子機器に悪影響を与える可能性があります。
電池メーカーや電池工業会では、電池から液漏れをした場合の掃除法は水を含んだ雑巾を使用することが推奨されています。
アルコールや酢を使ってはいけない理由がはっきりしているんだね
電池の液漏れは劇物指定されているほど危険!
電池からの液漏れが危険なのはわかっているのだけど、具体的にどんなふうに危険なのかしら
アルカリ電池もマンガン電池も、どちらも液漏れをした際の液体や結晶化した粉は劇物指定されているほど刺激が強いので十分気を付けましょう。
液漏れをした電池の片付けは、大掛かりなイメージがありますよね。今すぐに使うものでなければ、ついつい掃除せずに放置しておきたくなるものです。
しかし、液漏れをした電池の危険性を理解していないと、恐ろしいことになるかもしれません。
ここでは液漏れをした電池の危険性を説明していきます。正しい知識を身に付けて、危険から身を守りましょう。
液漏れとは、電池から何らかの液体が出ていることですが、液体だけとは限りません。
電子機器に電池を入れっぱなしのまま長期間放置していると、ぬるぬるしてきたり白い粉がふいてきたりすることがあります。
また、電池が膨らんでしまっていたり、サビがついてしまっていたりする場合でも液漏れが進んでいる状態だと言えます。
液体が出てくることだけが液漏れではないんだね。そもそも漏れ出してくる液の正体って何?
電池から液漏れをしているときに、漏れ出す液体の正体は電解液です。電解液は電池の中に入っているものであり、その液体が外部に出てしまっている状態です。
しかし、電解液は電池の種類によって異なります。
アルカリ電池の場合、電解液は水酸化カリウムと呼ばれるもので、これは弱アルカリ性のため人体に有毒性があり非常に危険な液体です。
皮膚につくと火傷や潰瘍(かいよう)、出血や皮膚変色、脱毛が起こる可能性があり、目に入ると失明の恐れがあります。また、粉を吸引してしまうと肺水腫になる危険もあります。
マンガン電池の電解液は塩化亜鉛水溶液で、水酸化カリウムと比べると人体に影響はそれほどありませんが、誤って目に入ると目を傷つけてしまう可能性があります。
こんなに危険なものだなんて
しかし、電池は液漏れをすることによって破裂の事態を回避しているのです。
電池を入れっぱなしの状態にしておくと、内部でガスが充満します。ガスを逃す術があればいいのですが、電池の中にたまってしまうと破裂します。
電池は異常発生したガスが安全に抜けるような構造になっており、そのガスが外に出た状態が液漏れと言うことです。
電池が液漏れをした際の掃除方法と知っておきたい知識
アルカリ電池でもマンガン電池でも掃除方法に変わりはありませんが、危険な成分が入っているため正しい掃除方法を学んでおきましょう。
- 防水性の手袋
- 保護メガネ
- マスク
- 大量のティッシュ
- ウエットティッシュ
- 雑巾
- 綿棒
液漏れをした電解液や粉は、劇物指定されているほど刺激が強いので、防水性の手袋や保護メガネ、マスクは必ず着用してから掃除に取り掛かるようにしましょう。
- 防水性の手袋、保護メガネ、マスクを装着する
- ティッシュペーパーで電解液をふき取る
- 水を含んだ雑巾やウエットティッシュなどで結晶化した粉を掃除する
- 細かい部分は綿棒を使って掃除する
- 水分が残らないようにティッシュで乾拭き(からぶき)する
ではここからは、液漏れをした「場所」別に掃除方法を詳しく説明していきますね!
<一般的な液漏れ掃除>
まずは液漏れをした機器から電池を抜くところから始めます。このとき、決して素手で触らないように注意しましょう。
取り出した電池が電解液でぬれている場合は、ティッシュや乾いた布でふき取ります。指が届かない細かい部分の汚れは綿棒などで念入りに掃除しましょう。
汚れているところは水で湿らせた布でふくと、水が電解液を分解してくれるのできれいに掃除することができます。最後に乾いた布でふいたら掃除完了です。
難しい手順がなくてうれしいわ
<リモコンの液漏れ掃除>
リモコンの電池から液漏れをした場合は、まずリモコンのプラスチックカバーを外します。
プラスチックのカバーは水洗いしてきれいにし、乾いた布で水気をふき取ります。
リモコン本体は、水で湿らせた布でふき取り、先ほどと同様細かい箇所の汚れには綿棒を使って掃除しましょう。
このようにリモコンには正しい掃除方法がありますが、液漏れがとり切れない場合や電解液が基盤や内部にまで流れ出てしまった場合は故障やショートの危険性があります。
リモコンで液漏れをしてしまった場合は、販売店などで基盤を見てもらうことをおすすめします。
<おもちゃの液漏れ掃除>
おもちゃ内の電池から液漏れをしている場合、液がふきとれなかったり、電解液が内部まで流れてしまっていたりすると、もうそのおもちゃを使うことはできません。
おもちゃ内で液漏れをしたときに1番怖いのは、子供がそのおもちゃで遊んでいて、口に入れてしまうことです。
危険性がかなり高いので、掃除するよりも破棄するかメーカーに修理に出す方がおすすめです。
おもちゃは子供が遊ぶものだから、液漏れをしたそんな危ないもので遊ばせられないわ
液漏れをした電池を捨てるときは電極にテープを貼る
液漏れをした電池を捨てるときは、電極部分にセロハンテープやビニールテープなどを貼り絶縁状態にします。
絶縁状態にした電池をさらにビニール袋に入れて自治体の指示に従って捨てましょう。
液漏れをした電池はもう使うことができません。そのまま置いておくと危険なので、必ず掃除をして捨てるようにしましょう。
電極部分にテープを貼ってから捨てた方が良いなんて知らなかったわ!
液漏れをした電池を掃除する際の注意点3選!
液漏れをした電池の掃除をする際に気を付けるべきことが3つあります。
- 素手で触らない
- 目と口の保護をして掃除する
- サビは無理に除去しない
液漏れをした電池を間違った方法で掃除してしまうと、人体に影響を及ぼす可能性があります。
<素手で触らない>
電池の種類により、液漏れで染み出てくる液体は異なりますが、素手で触ることは絶対にしないようにしましょう。
特にアルカリ電池は水酸化カリウムと呼ばれる液体が出てくるため、素手で触ると火傷や出血、皮膚変色を起こしてしまう可能性があります。
触って異常が起こらない場合もありますが、油断してはいけません。皮膚内部にまで入り込み、化学火傷が進行していくことも多いです。
何も起こらなかったからと言って油断できないんだね。本当に取り扱いには注意しないといけないわね
一方のマンガン電池からは塩化亜鉛水溶液と呼ばれる液体が出ています。
水酸化カリウムほど影響を及ぼすことはないですが、危なくないという保証はないため素手では触らないでおきましょう。
<目と口の保護をして掃除する>
これまで何度もふれてきましたが、電解液は人体に有毒なものなのですぐに掃除することが大切です。
電解液が飛び散ることも考えて、目と口を保護することが必要となります。保護メガネとマスクを着用して掃除するようにしましょう。
<サビは無理に除去しない>
液漏れによりバネや接触版部分にサビが発生することも考えられます。しかし、サビは無理に掃除で除去してはいけません。
自分なりのやり方でサビを落とそうとすると、機器側に影響を及ぼし壊れてしまう可能性があります。サビは交換か修理に出すのが1番良い方法です。
サビがついてしまったら交換か修理が基本なんだね
掃除しているときに考えられるトラブルの対処法2選
掃除しているときにトラブルが起きたら焦りますよね。いざというときのためにトラブルの対処法を知っておきましょう!
トラブルの対処法を知っていると慌てなくてすむわね
<液漏れをした液体や粉に触った>
液漏れをした液体や粉を触ってしまった場合や目に入った場合、体に付着した場合はものすごく心配になりますよね。
目に入ったときは、こすらずに大量のきれいな水でしっかり洗い流しましょう。
電解溶液は危険性が高いので目に入ると失明の恐れがあります。
十分に洗い流した後に何ともなくてもすぐに病院を受診してください。
目に入ったときは異常がなくても病院に行った方が良いんだね
液漏れをした液体や粉が体に付着した場合も、大量の水で洗い流すことが大切です。
電解液で化学火傷を負ってしまう可能性があるので、異常がないかチェックし異常があればすぐに病院を受診しましょう。
<液漏れをした液体や粉が服や家具に付着した>
液漏れをした液体や粉が服についてしまった場合は、肌につかないように注意しながら脱ぎ、念入りに水洗いしてください。
その後は通常の洗濯で良いのですが、服の素材によっては傷んだり変色したりして着られなくなる可能性があります。
液漏れをした電池の掃除をするときは、汚れても良い服を選びましょう。
掃除するときは服選びも大事ね
家具についた場合は、ぬれた布でふき、最後に乾いた布で水気をふき取ります。
服と同じように、家具の素材によっては変色や傷みが表れる可能性があります。
電池からの液漏れは予防することができる!8つの対策
電池から液漏れをしないためにできる予防法が8つあります。電池の液漏れは自分の行動次第で防ぐことができるのです。
- アルカリ電池とマンガン電池を使い分ける
- 電池を逆向きにセットしない
- 新品と古い電池を一緒に使わない
- 長時間使用しないときは電池を抜いておく
- 機械の使用後は必ずスイッチを切る
- 電池とネックレスやヘアピン、コインや鍵などの金属製品と一緒に持ち運んだり保管したりしない
- 火気に近づけたり、濡らしたりしない
- 強い衝撃を加えない
電池の液漏れは掃除も煩わしいですし、起こらないに越したことはないですよね。
自分が少し気を付けて行動するだけで防ぐことができます。上記の予防法の中で補足しておきたい項目のみ、これから説明をしていきます。
<アルカリ電池とマンガン電池を使い分ける>
電池にはアルカリ電池とマンガン電池があり、同じサイズならどちらを使っても同じように思っていませんか?
また、マンガン電池よりもアルカリ電池の方が長持ちするように思っている方も多いと思います。
電池の種類の使いわけなんてしたことがないわ
どちらの電池を使うのかは電池を入れる機器によって向き不向きがあります。
電池の種類を使い分けることで、効率的に電池を長持ちさせることができるのです!
アルカリ電池は電流を流れやすくする電解液が使われており、大きな電流を流すことができます。
そのため、大きな電力を消費する容量の大きい製品にはアルカリ電池が向いています。
一方のマンガン電池は、アルカリ電池と比べて容量は少ないのですが、しばらく休ませることで出力が回復します。
大きな電力は必要なく、電池を常に入れっぱなしにしておく、リモコン・時計・懐中電灯にはマンガン電池が向いていると言えますね。
電池の使い分けはこういう風にするんだね!
<電池を逆向きにセットしない>
電池の「+」と「-」を逆向きにセットしてしまうと、思うような働きができず液漏れや破損の可能性が高くなります。
複数個の電池を必要とする製品は、1つぐらい電池を逆向きにセットしていても作動することが多いです。
しかし、1つの電池が充電されることにより内部のガスを溜めてしまうことになります。
これは液漏れや破損・破裂の原因になるため、電池の向きをしっかりチェックして間違えないようにすることが大切です。
作動すれば良いという問題ではないのか
<新品と古い電池を一緒に使わない>
電池を複数個必要とする製品は電池をすべて新しいものに変えずに、1つや2つ新しい電池に変えるだけで作動することがあります。
実はこれ、私がよくやってしまうことです(笑)電池が切れたとき、すべての電池を交換せずに1つの電池だけ新しいものに変えると作動するので、ついつい…。
しかし、この使い方は危険なのです!このような使い方をすると、新しい電池に合わせて古い電池が放電しっぱなしの状態になり、機器が劣化する原因になります。
また、燃費が悪くなるのはもちろんのこと、電池内部にガスを発生させやすくなるのです。
また、電池のメーカーが違うものや種類の違う電池を使用した場合にも、液漏れを起こす可能性があるため、同じメーカーや種類のものを使うようにしましょう。
メーカーや種類が違う電池を一緒に使うのもダメだなんて知らなかったわ
<長時間使用しないときは電池を抜いておく>
夏場だけ、もしくは冬場だけしか使わない機器や、使わなくなったおもちゃを置いておく場合、電池をそのまま入れっぱなしにしておくことがありますよね。
機器を使用しない間も電池を入れっぱなしにしておくと機器が劣化していきます。
そのため、いざ使用するとなったときに、異常に熱くなったり内部でガスが発生したりと液漏れをする可能性が高くなります。
長期間使わないとわかっているものはあらかじめ電池を抜いて保管するようにしましょう。
電池を入れたまま保管するのは良くなんだね
液漏れの掃除から解放されるための方法がこんなにたくさんあったなんて!掃除するのは大変だから、液漏れをしないように予防するわ!
まとめ
- 電池が液漏れをしたときの掃除にアルコールは使ってはいけない。アルコールや酢で液漏れの掃除をすると、さらに状態が悪くなる可能性が高い
- アルカリ電池もマンガン電池も、どちらも液漏れをした際の液体や結晶化した粉は劇物指定されているほど刺激が強いので十分気を付けよう
- アルカリ電池でもマンガン電池でも掃除方法に変わりないが、危険な成分が入っているため、正しい掃除方法を学んでおこう
- 液漏れをした電池を捨てるときは、電極部分にセロハンテープやビニールテープなどを貼り絶縁状態にする
- 電池が液漏れをしないためにできる予防法が8つある。電池の液漏れは自分の行動次第で防ぐことができる
電池から液漏れをした際の掃除にアルコールを使ってはいけないことがわかりましたね。
掃除をしているのに、アルコールや酢を使うことによってさらに状態が悪くなっては元も子もありません。
液漏れをした際の液体や結晶化した粉は劇物指定されているほど刺激が強いため、正しい掃除方法を知って、危険から身を守りましょう。
日々の行動に気を付けるだけで、電池の液漏れを防ぎ、煩わしい掃除から解放されます。難しいことは1つもないので、ぜひ実践してみましょう!