あなたは野菜の移動販売をしたいけど、何か許可は必要なのかなと悩んでいませんか。
野菜をそのまま移動販売する場合には、許可をとらないで始めることができますよ!
ただし、販売する場所や野菜を加工して販売する場合には許可が必要になりますので注意してくださいね。
許可をとれば、野菜を漬物やジャムに加工して販売したりサンドイッチやドリンクを販売しすることもできますよ。

今回は野菜の移動販売を始める方法と、成功するポイントを紹介しますね。
この記事を読めば、野菜の移動販売をスムーズに始めることができますよ。
野菜の移動販売に必要な許可とメリットデメリット
野菜を加工しないでそのまま移動販売する場合には許可をとる必要はありませんが、販売する場所には許可をとる必要があります。
また、加工品を販売する場合には営業許可が必要になりますので、何を販売するのか事前にしっかり決めておきましょうね。
野菜の移動販売をする上で必要な資格と届出がありますので、最初にお伝えします。
食品衛生協会の「食品衛生責任者養成講習会」に参加して食品衛生責任者の資格を取得しましょう。
受講料:1万円程度(都道府県ごとに異なります)
調理師や栄養士などの資格を持っている場合には、申請するだけで取得できます。
食品衛生責任者の資格を取得したら、保健所に「野菜果物販売業」の届出をしましょうね。

「野菜果物販売業」の届出をするには「食品衛生責任者」の資格が必要なので、先に「食品衛生責任者」の資格を取得するようにしましょう。
それでは次に、野菜の移動販売をするメリットとデメリットを確認しましょう。
- 初期費用を抑えられる
- 出店場所を自由に変えられる
- 話題性がある
- 消費者と直接関わることができる
<初期費用について>
お店を構えるとなると家賃や敷金と保証金など必要になりますが、移動販売なら不要です。
<初期費用として必要なもの>
- 移動販売用の車代金
- 設備代金(机・イス・シンク・コンロ)
- チラシやホームページ作成費用
- 各種損害保険
- その他(商品パッケージ費用、ガソリン代、光熱費)
<出店場所を自由に変えられる>
時期や状況に応じて集客の見込みがある場所に出店できます。
<話題性がある>
地元の野菜を道の駅やサービスエリアで販売すれば、お土産として県外の人に売れやすいです。
メリットは上記のようになります。次にデメリットを紹介します。
- 売上が不安定
- 時間をとられる
- 天候の影響を受けやすい
- スーパーや八百屋などの競合が多い
<売上が不安定>
野菜は鮮度が大事なので売れ残ると廃棄することになります。
<時間をとられる>
売上を伸ばすために出店場所の告知をSNSなどで行う手間がかかります。
<天候の影響を受けやすい>
屋外で販売している場合、お客様は傘を持ちながらお会計をしなければならなくなります。
<スーパーや八百屋などの競合が多い>
他社と差別化できなければ売上をのばすことはできないです。
野菜は鮮度が命です!廃棄処分しなくて良いように、新鮮なうちにお客様に全て販売したいですね。
野菜の加工品も販売するなら営業許可の申請が必要
野菜を漬物やジャムに加工して販売する場合には、保健所に「営業許可」の申請をしなければなりません。
ただし、「焼き芋」や「焼きトウモロコシ」など簡易的な加工で販売する場合には営業許可の申請は必要ありませんよ。

販売する場所が居住地域と離れている場合には、販売する場所の保健所に相談して許可をとる必要がありますので気を付けましょうね。
野菜を加工する場合、調理する工程で食中毒菌などが付着する恐れがあるので、衛生管理が徹底したところで製造した商品しか販売することができません。
営業許可をとるためには、車の設備を整えたり加工品の詳細をまとめたりしておく必要がありますよ。
<営業許可証について>
営業許可は1つではありません。販売する物によってそれぞれ取得する必要がありますので、よく確認して取得しましょうね。
- 漬物製造業営業許可証(漬物など)
- 密封包装食品製造業営業許可証(ジャムなど)
- 飲食店営業許可証(ホットドッグ、焼きそば、メロンパン、クレープ、コーヒー、かき氷、アイスクリーム等)
この他にもたくさん種類分けされていますので、販売するものの許可証を保健所に確認してとるようにしましょう。
- 販売する地域の保健所に相談する(販売するもの、出店場所、移動販売車の設計図を元に相談)
- 必要書類を提出する
- 移動販売する車の設備を確認検査する
- 営業許可証を取得する(2週間ほどで交付されます)
営業許可証の有効期限は5年間です。5年ごとに更新料が必要になりますので忘れずに手続きをしましょうね。
節税したいなら税務署と県税事務所に届出書を提出
個人事業を開業したら「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、「個人事業税の事業開始等申告書」を都道府県税事務所に提出しましょう。
どちらとも、提出しなくても罰則はないので提出しなくても良いのですが、節税を考えるなら提出したほうがお得ですよ。
書類を提出して青色申告を承認されると、確定申告の時に決算書や貸借対照表などの帳簿を提出することで、10万または65万の控除を受けることができるようになります。
野菜の移動販売で儲かる秘訣は事前の準備と計画が重要
野菜の移動販売で儲かる秘訣は、事前の準備をしっかりして計画をたてることです。
移動販売は店舗を構えることと比べると開業コストを抑えることができますが、事前の準備や計画をしっかりしないと儲かることはありませんよ。
- ターゲットをしっかり決める
- 原価率は30%以下を目安にする
- 営業場所の開拓には企画書を持参する
- 目標売上、目標利益、目標販売数を明確にする
- コンセプトを明確にして差別化する
- 加工品を販売して客単価を上げる
- SNS(Twitter、Instagram)で情報発信する
上記「成功のポイント」の中の「ターゲット」は下記を参考にしてくださいね。ターゲットによって販売場所も、販売する商品もだいぶ変わります。
<ターゲットをしっかり決める>
ターゲット | ポイント |
主婦層 | 近所のスーパーと同価格で新鮮さを売る |
若い層 | 学校の近くに出店し、加工品も販売する |
サラリーマン | 野菜のサンドイッチなどの軽食とコーヒー等も販売する |
健康志向の人 | 野菜スープを販売 |
最初は1つのターゲットに絞り、徐々に広げていくのがおすすめですよ。
<原価率は30%以下を目安にする>
原価を抑えられないといつまでも利益を残せないので、30%以下を目安にしましょう。
<営業場所の開拓には企画書を持参する>
- 「住民に喜ばれる商品を提供できます」
- 「ゴミは持ち帰ります」
- 「消火器を用意しています」
これらのことを盛り込んで企画書を作成し、持参してみましょう。
<目標売上、目標利益、目標販売数を明確にする>
行き当たりばったりだと廃業の恐れがあるりますので、目標売上や目標利益と目標販売数を明確にしておきましょうね。
<コンセプトを明確にして差別化する>
農家直送、完全無農薬、他では見かけない珍しい野菜など明確にして、他のお店との差別化をはかりましょう。
毎日同じ時間に同じ場所で販売していると固定客がつく可能性がありますので、販売時間、販売場所、そして価格設定や陳列商品なども決めましょう。
<加工品を販売して客単価を上げる>
スープやポタージュにしたりジャムなどに加工してお土産にしたりして販売するなどすると、加工品は賞味期限が長いので廃棄ロス削減になりますね。
<SNS(Twitter、Instagram)で情報発信する>
集客にとても有効なので、いつどこに出店するのか、旬の野菜の写真なども投稿すると良いでしょう。
しっかり準備すれば野菜の移動販売で儲かる可能性があります。
野菜の移動販売で開業するならまず保健所に相談しよう
申請内容は全国一律ではなく地域ごとに違う為、計画を立てはじめたら早めに保健所へ相談しに行きましょうね。

保健所でしっかり話を聞いておけば、移動販売の開業準備がスムーズになります。
売りたいものと販売したいエリアを決めてから保健所に相談するようにしましょうね。
それでは開業するまでの流れをご紹介します。
- 事業コンセプトなどの作成
- 資金調達
- 保健所に営業許可に関する詳細を問い合わせる
- 移動販売車の確保(軽トラ・軽バン)を用意する
- 具体的な商品の決定
- 販売に必要な道具と食材などの仕入れ
- 営業場所の確保
- 仕入先を決める
- 広告やチラシ、名刺やホームページなどの作成
- 保健所で営業許可と資格の取得
- 損害保険に加入(自動車保険、PL保険)
- 開業
<1.事業コンセプトなどの作成>
強みや特徴、顧客ターゲットの選定、取り扱う野菜の決定、価格設定、開業資金、移動販売の目的などを明確にしましょうね。

<2.資金調達>
事業コンセプトが決まったら、必要な資金も明確になりますので、融資や助成金を活用して資金調達の手続きをしていきましょう。
<3.保健所に営業許可に関する詳細を問い合わせる>
申請は全国統一ではないので、販売したい場所の保健所に詳細を問い合わせましょうね。
<4.移動販売車の確保(軽トラ・軽バン)を用意する>
車の外装によってお客様の印象が大きく変わる為、集客力を上げる為に塗装やラッピングをするなどの工夫をしてみてください。

<5.具体的な商品の決定>
野菜をそのまま販売するのか、漬物やジャムに加工して販売するのか、サンドイッチにしてドリンクも販売するのかなど決めましょうね。

<6.販売に必要な道具と食材などの仕入れ>
机、イス、コンロ、シンクなど。野菜を仕入れる場合にも、仕入れ業者によって品質が異なることも多いので、複数の業者を試してみることも検討しましょう。
<7.営業場所の確保>
営業場所を探す方法をいくつかご紹介しますので、参考にしてくださいね。
- ネットで探す
- マッチングサービスを利用する
- 仲介業者を利用する
- 商工会議所や観光協会に登録する知り合いに紹介してもらう
- 新規開拓する
許可を得た場所で出店しないとトラブルになり、最悪の場合警察沙汰になることもありますので、きちんと許可をとりましょう。
<8.仕入先を決める>
仕入れ先を決める3つの方法は以下のとおりです。自分で作った野菜を販売するのもいいですね。
仕入れ先 | 方法 |
市場に行く | 市場によってルールが異なる為、慣れるまで知り合いの専門業者さんに同行させてもらうと良いでしょう。 |
農家と契約する | 市場を経由しないので鮮度が良く価格も抑えられますが、移動販売は仕入れる量が少なく農家にメリットがないため断られることがあります。 その場合は、農家とつながりのある問屋から仕入れるなどの対応をしてみてくださいね。 |
自分で育てる | 自分で育てた野菜を自分で販売するので利益率は高いですが、全て自分で行うのは困難なので家族や友人の協力が必要になりますよ。 |
農家さんから仕入れるのは難しいかもしれないので、知り合いから紹介してもらうなど検討してみてください。
<9.広告やチラシ、名刺やホームページなどの作成>
宣伝しないと気づかれないので、広告やチラシ、ホームページなどでしっかり宣伝しましょうね。
<10.保健所で営業許可と資格の取得>
食品衛生責任者養成講習会に参加して資格取得する。参加するだけで取得できますよ。
「野菜果物販売業」の届出を保健所にします。手数料も更新も不要でインターネットでも手続きができますよ。
野菜以外の加工品などを販売したり道路や公園で販売したりする場合は、下記の許可を申請するようにしてくださいね。
許可 | 申請場所等 |
営業許可 | 保健所に申請。野菜の販売には不要、メニューによって許可証の種類が異なります。 |
道路使用許可 | 道路を管轄する警察署に申請。販売場所が道路の場合に必要です。 |
公園内営業許可 | 公園を管轄する地方公共団体や国土交通省に申請。販売場所が公園の場合に必要です。 |
イベントスペースなどの場合は、そこを運営している所に許可を得る必要があります。
<11.損害保険に加入(自動車保険、PL保険)>
PL保険とは生産物賠償責任保険のことで、お客様に提供した食品で損害を与えてしまった場合に備えるための保険です。

<12.開業>
開業したら、売れる商品や売れない商品、曜日によって売上が変化することなどが見えてきます。
対策や対処法を考えて改善し、継続していけるようにがんばりましょうね!
まとめ
- 野菜をそのまま移動販売する場合には許可不要
- 野菜を漬物やジャムに加工して移動販売する場合は営業許可の申請が必要
- 販売する場所の許可はとる必要がある
- 野菜の移動販売の許可は不要だが「野菜果物販売業」の届出は必要
- 「野菜果物販売業」の届出をするには、食品衛生責任者の資格が必要
- 野菜の移動販売で儲かる秘訣は、事前の準備をしっかりとして計画をたてること
- 保健所への申請内容は全国一律ではなく地域ごとに違うので、計画を立て始めたら早めに保健所に相談する
野菜の移動販売を始めるには、ターゲットと販売場所を決めて保健所に相談することが大切だということが分かりましたね。
まずは野菜の移動販売から始めて、徐々に加工品や軽食の販売をしていくようにすると儲かるかもしれませんね!